水の描き方徹底解説!漫画の川・海・水面・水しぶきを描いてみよう

水の描き方を覚えよう!

水というとたとえば、

  • バケツい入れてぶちまけてみる
  • ホースで撒く
  • プールに飛び込んで跳ね上がる

といった際にさまざまな形で飛び散ったりしますね

もし木だったり花だったり、あるいは人物などを観察して描くのであれば、問題はありません

が、飛び散る水を観察して描こうと思っても、一瞬で散ってしまうので人の動体視力では不可能

また川には流れがありますし、海は波が立ち、白くなっている部分があります

水にはさまざまな形があります

それゆえに、描くのが難しいです

とかげねこ
とかげねこ

状況で変化するゆえにホントにむずかしい、水は

なので、今回も「物理表現のイラスト描画」から川ができる原理と水の原理を学んだうえで

マンガでわかる キラとマリアの背景が描きたい!―自然編―」をもとに、解説していきます

このページの内容は、

  • 川はどうやってできるの?
  • 水の形って?
  • 川の流れについて
  • 水面の太陽の映り込みと波を描こう
  • 水面の影の描き方
  • 浜辺の描き方
  • 水面のアップの描き方
  • 撒かれる水を描くには?
  • 水に物が落ちた際のしぶきの描き方

といったものとなります

【STEP0a】川の成り立ちについて

川はどうしてできる?

山に雨が降ったり雪が積もって溶けると、水が地上に集まったり地下にしみこんで集まったりします

そうすると、高いところから低いところへ流れていきます

その流れがまた別の集まった水と合流し、だんだん大きな流れとなっていきます

その結果「川」となります

とかげねこ
とかげねこ

雨や雪がたまっていった結果なんだね

※ちなみに「湧き水」とは

雨や雪解け水により地下に集まった水が、地上に出てきたものが「湧き水」です

川の上流は傾斜が急なので流れが速く、下流に行くほど緩やかになります

川の石の形は?

上流の石は大きく下流に行くほど小さくなり、河口付近ではほとんど砂利や砂となります

晴れている日などは川を流れる水量も少なく、上流にある岩が流されることはありません

が、大雨や大雪により大量の水が流れることで、土砂が川に流れて濁流となります

それにより上流から岩が流れていき、その際にあちこちに衝突して細かく砕かれて小さくなっていくのです

とかげねこ
とかげねこ

上流の石は大きく、下流は小さく

おぼえておこう

【STEP0b】水は球体?「表面張力」について

コップにすりきれいっぱいまで水を入れたうえで、さらにもう少し水を注いでも、水面が膨らみますがこぼれません

これが「表面張力」です

表面張力

水分子は「分子間力」という目に見えない力で引き合います

これにより表面の分子が内部から引っ張られて、「表面張力」として目に見える形で現れます

分子間力

水分子同士がくっついていれば水滴として目に見えますが、離れると目に見えなくなります

これが以前の雲ができる原理の解説にも出てきた「水蒸気」です

水蒸気

ちなみに、原理を学ぶことが絵を描くこととどう関わるかについても、雲のページに書かれています

水分子は、自分たちの引き合う力(分子間力)が分散しないよう効率のいい形になろうとします

その形は”球体”です

水は球体
とかげねこ
とかげねこ

形にもちゃんと意味があるんだ

【STEP1】川の流れを描く場合

川の流れの強さについて

流れが緩やかな川なら、あまり流れの線も入れず、端っこに少しホワイトで川に沿った線を入れていく感じで

上流は少し流れが速いのと、光が当たっているということで、短めのホワイトの線をちょっと多めに描いています

川

急にカーブしている川だと、カーブの外側は流れが強くいので、短めの線を多めにいれます

少し水しぶきも立つことも

カーブの内側は緩やかなので、長めの線を少なめに

カーブのかかった川の流れ
とかげねこ
とかげねこ

同じ川でも、場所により流れの強さは違うんだね

【STEP2】水面を描いてみよう

水面の光と影の描き方

水面の太陽の映り込みと波

湖など広い水面の水平線には太陽が出ていて、その光が映りこむこともあります

水面部分にはトーンを貼り、光の映り込みとなる部分を大きな縦の直線に消しましょう

太陽の光が映りこんだ海の描き方

消した部分の両脇を、細かな横の線で消していきます

水平線に近い部分は長く、遠くなるほど短くなります

けれどきっちり短くなっていくのでなく、途中、少し長くなっている部分も入れて

太陽の光が映りこんだ海

その後、波を表すホワイトの線をところどころに入れていきます

太陽の映り込み近くに多めに

また、近景は多めに眺めの線で

遠景は少な目に短めの線で

沈む太陽の光が映りこんだ海
とかげねこ
とかげねこ

遠景・近景と、太陽の映り込みちかくのちがいを意識してね

水面の影の描き方

リアリティを出すため、水面にも影を入れます

影は三角形っぽい形で描きます

水面に何か物が浮かんでいるのなら、それにも影(映り込み)をいれます

水面は揺らいでいるので、揺らぎを意識して映り込みを描きましょう

映り込みは、垂直線で描いてもいいです

揺らぎは表現されませんが

遠景は影を入れず、波の白い光の線のみ描きましょう

水面に映った影

水面の影は、トーンで描くこともあります

トーンで描いた水面の影
とかげねこ
とかげねこ

ベタで描くか、トーンで描くかは、好みということで

浜辺の描き方

浜辺の砂浜近くの海の波は、ホワイトを多めに入れていきます

砂場と海の境目には海の泡を表す太めのホワイトのベタを入れ

その先の海面は細かいホワイトを、点描とゆがんだ楕円のような形をところどころに入れます

盛り上がった大きな波の下は、少し暗くしましょう

砂浜は砂目のトーンを入れた上で、ブラシ濃度を下げた軟らかめの消しゴムや練り消しで、一部を消します

水面のアップの描き方

水面のアップは丸の組み合わせで描くのですが、水面は揺らいでいるので丸はゆがんでいます

様々な大きさの丸を描いていきます

ごく小さい丸もところどころに入れます

丸と丸の境目はホワイトです

水面のアップ

少しはしょって解説しましたが

マンガでわかる キラとマリアの背景が描きたい!―自然編―」ではもっと厳密に水面のアップの描き方を解説しています

ほかの水の描き方、水以外の自然物の描き方ももっと詳しく書かれています

また、アナログでの描き方を主に書いていますので、アナログも描いている人はぜひチェックを

とかげねこ
とかげねこ

デジタル専門の人にも役立つ解説なので、ぜひチェックを

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【STEP3】水しぶきを描くには?

水しぶきが飛び散るさまを描いてみよう

ホースから出る水・垂直に飛ぶ水・バケツで撒かれる水

この描画法は「物理表現のイラスト描画」を参考にしております

この本は原理を解説した上で、カラーでの絵の描き方の解説も少し描かれています

色も描いていきたい人は、ぜひチェックしてみてください!

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さきほど水は球体と解説したように、水を描く際は、細かな丸を組み合わせたアタリを取っていきます

そうすることで、細かなしぶきを描きやすくなります

ホースから出る水の起動をあらかじめ決めた上で

その起動に沿って小さな丸の集合体を描いていきます

重力により落ちていく細かなしぶきも描きましょう

ホースでまく水のアタリ

アタリができたら、水の輪郭線を描いていきます

飛び散ったしぶきは、すべてそのまま丸で描くのでなく

丸どおしがくっついたしぶきもいくつか入れていきましょう

ホースでまく水の線画

輪郭線が描けたら、トーンで影を入れます

ホースでまく水

垂直に飛び立つ水しぶきも、丸の集合体を描くことで、細かなしぶきを

垂直に飛ぶ水しぶき

バケツから撒かれる水を描く場合も、丸の集合体を描くと、しぶきを描きやすいと思います

バケツで水を撒く
とかげねこ
とかげねこ

絵の基本はアタリを描くこと

この描画法を覚えると、だいぶ水を描きやすくなると思うよ

物が落ちてきて上がる水柱

たとえば、水に大きな石が落ちたとすると

水に向かって落ちる大石

水に入っていく際に石は水を押しのけて落ちます

押しのけられた水は、石から離れるように飛び散ります

水を押しのけて落ちる大石

その後、石の落ちた部分の水面がへこみ、押しのけられて飛び散った水も重力で水面に落ちます

大石のおちた水面がへこむ

へこんだ水面は、反動で水柱が立ちます

へこんだ分、反動が戻ってくる

水柱はすぐに重力で水面に落ちます

ちぢむ水しぶき

この水面に物が落ちた際の水の動きを意識して

静止画である漫画の場合は押しのけた波と水柱の両方を描きます

落ちた物体の大きさと落ちる勢いによって、波と水柱の大きさを変えていきましょう

飛び散った水の輪郭線は、水は球体ということで丸っぽく描きます

とかげねこ
とかげねこ

押しのけた波と水柱、意識して描いてみてね

まとめ:いろんな水の描き方解説のおさらい

上流・下流・カーブなどで流れが変わる川や、波があったり浜辺がある海

物が落ちる際の水柱、ホースから出る水のしぶきなどなど

いろんな形があるゆえに水を描くのは難しいかと思います

今回は、そんな水の描き方について解説しました

まとめますと、

描くのが難しいゆえに、描画法を覚えるのはもちろん

原理についても学ぶのは重要かと思われます

しぶきを描く際に、水が球体であることを覚えておくと

想像しやすくなるのではないでしょうか

とかげねこ
とかげねこ

水面は揺らぎがあるので、光や影を入れる際には揺らぎを意識して描くようにしよう