
通常、一点透視図法の消失点数は1つ
二点透視図法の消失点数は2つなのですが、背景に描くものによって消失点を増やす必要性もあります
意外と描くのがむずかしい「階段」も、消失点を増やすことで描くことができます
階段や坂道はもともとある消失点とは違う、上空の方向に線を引きますので消失点を増やす必要性がでてきます

少し描き方が特殊で、むずかしいんだよ階段は
というわけで今回は、
そして、階段つながりということで、「螺旋階段」の描き方も紹介します
螺旋階段は描き方が特殊で、それがわからないと本当になかなか描けないかと思います
これを機に、ぜひ学んでいってください
【STEP1】消失点を追加して階段を描こう!

階段の構造
階段の高さの部分は「蹴上げ(けあげ)」、奥行きの部分を「踏面(ふみづら)」といいます
踏面には「段板(だんいた)」が敷かれています
法律により蹴上げ23cm以下、踏面は15cm以上と定められています


階段の大きさも、法律で定められていたんだね
階段の描き方
二点透視で階段を描いていきましょう
“レイヤー”/”定規・コマ枠”/”パース定規の作成”をクリックして、2点透視を選択して”OK”

消失点の配置ができましたら、階段の下の部分となる平面の四角を描きます

この後、直線定規を使うのですが、その前にレイヤーを追加しておきましょう
階段を描くレイヤーと定規を引くレイヤーを別々にしないと、描きづらくなるので

追加したレイヤーを選択してから、定規ツールの「直線定規ツール」を選び、

四角の頂点から縦に定規を伸ばします

定規を出したらレイヤーの定規の表示を右クリックして、”すべてのレイヤーで表示”をチェックしておきましょう
これをしないと、ほかのレイヤーで作業しようとすると定規の表示が消えるので


階段の高さを決めて、縦の線を引きます
画像では、直線定規の8cmの高さにしました
割り切れる数値のほうが、今後の作業がしやすいので
そして、上の奥行の線も引いていきます

定規を引いたレイヤー以外のレイヤーを選んで、蹴上げの高さに、点をうっていきます
画像では1cmごとに点をうっていきました

点をうったら、直線定規を引いたレイヤーは非表示にして、定規を消しましょう
定規が表示されていると、縦方向にしか線が引けないので

うった点から、パース線に沿って奥行の線を引いていきます

ここから、消失点を追加していきます
ただ、その前に直線定規のときのようにレイヤーを追加しておきましょう

そして、追加したレイヤーを選択し、定規ツールのパース定規を選んで”処理内容”を”消失点の追加”に変えます

キャンパスでマウスをドラッグすると、ガイド線が現れます
2本引いて、ガイド線の交わるところに消失点が追加されます

追加した消失点のガイド線を階段の下の部分の頂点に合わせ、もう一本のガイド線を、その上の蹴上げの高さの点に合わせましょう
合わせたら、上のガイド線と蹴上げの高さの線が交わる部分に向かって、縦線を引いていきます

あとは、パース線に沿って横の線を引いていき、加えて縦の線と奥行の線も引いていけば、階段の完成です


2点透視でも3点で描いているから、パースの世界は奥が深い!
【STEP1改】もっとカンタンな階段の描き方

二点透視で、まず上空に点を追加してパースにそって四角を描こう

EL上のパースにそって階段の踏面となる線をのばし
四角の下線に合わせます

踏面と下線の交点から縦線をのばして四角の上線に合わせてます
横線ものばして、踏面を描きます
そしてまた、踏面の線をパースにそってのばして、四角の下の線に合わせて……
と繰り返して、段を描いていきます

ELの上は、四角の下の線と横線の交点から、縦線をのばしていきます
これで階段の完成!
一点透視でも、同じように描けます

【STEP2】正面の階段を描いてみよう

“レイヤー”/”定規・コマ枠”/”パース定規の作成”で、1点透視を選んで”OK”

まず階段の下の線を引いてから、レイヤーを追加して、下の線の端から縦に定規を引きます
レイヤーを右クリックして”すべてのレイヤーで表示”するのも忘れずに
定規が引けたら、蹴上げの高さに点をうっていきましょう

うった点から、消失点に向かって線を引いていきます

レイヤーを追加して消失点を追加し、もとからあった消失点の真上に配置します
追加した消失点のガイド線を、階段の下の線とパース線を交わる部分に合わせます
そこから上に縦線を引いて、その線とパース線が交わる部分に、もう1つのガイド線を合わせます
上のガイド線とパース線の交わる部分に縦線を引いていって、階段状の線を描きます

ガイド線をまだ階段状の線を引いていない方に移動させて、横線・縦線・奥行き線を引いていくと、正面の階段は完成です


同じ階段でも、正面になるとまた少し描き方が違うんだなぁ
【STEP3】消失点を追加した道の描画法

坂道の描き方
階段をなだらかにしたのが「坂道」ということで
消失点を追加して上空に配置し、線を引いていくことで、坂道は描けます


曲道の描き方
曲道を描くときでも、まず、もとからある消失点に向かっての道を途中まで描きます
それから、消失点を追加
追加した消失点は、もとの消失点の横に設置します

その追加した消失点に向かって道の続きを描くことで、曲道となります



道の途中に物が置いてある場合
道の途中にパース線と違う方向に向いた物が置く場合、消失点を追加してそこからパース線を引いて描きます


角度の違う物が置かれているってことは、別のパースができているってことなんだね
【STEP4】螺旋階段も描いてみよう

消失点を追加した描画法ではないのですが、階段の描き方つながりということで、螺旋階段も描いてみましょう
まず、階段の下となる平面の四角を描いて、螺旋階段の高さを決めて縦線を引いていって、上空にも四角を描くことで、立方体のアタリを取ります
一点透視図法で描いています

アイレベルに横線を引いた上で、分割法を使って、立方体に横線を引いていきます

引いた横線と縦線の交わる頂点から奥行の線を引いていって、立方体の中に複数の平面の四角を描いていきます

平面の四角を8等分して、四角の内側に円を描きます

8等分した線と円が交わる部分から、縦線を引いていきます


階段の一番下の段を描いていきます
8等分した線のうち1本と弧の部分を縦に伸ばして、描いていきます

同じように螺旋状に次の段次の段と描いていくことで、螺旋階段が完成します
上の方の階段は、どうやって描くか戸惑ってしまうかもしれません
そんなときはspace+shiftキーを押して、キャンパスを180度回転させて描きましょう

蹴上げを短くし、手すりをつけると、階段らしい形になります

二点透視図法で描く場合でも、やり方は一緒です
まず下の四角を描いて縦線を伸ばして四角を描いていき、分割して円を描いて、また縦線を伸ばしていきましょう


らせん状になっている分、また描き方が違ってくるから階段を描くのは侮れない
まとめ:消失点を追加した描画法のおさらい
一点透視図法は、消失点が1点のみとつい思ってしまいますが、背景を描くには点を追加することも必要です
ページの内容をざっとまとめますと、
今回紹介した描画法を知らずに階段を描こうとすると、なかなか描けないかと思います
それだけ階段はやっかい、それでいて描く場面が意外とあったりするでしょう
ぜひ、覚えておきましょう

線画を描くレイヤーと、定規を使うレイヤーは分けたほうが描きやすいから
消失点を追加するときや、直線定規を使うときはレイヤーに注意しよう