
これまで、パース定規を使って背景の線画を描いていきました
家具をリストアップして間取りを決めて消失点を置く場所をよく考えて描くことで、いい背景が描けるかと思います
今回は、それをもっと見栄えをよくするため、
といったことをしていきます
消失点に近いものほど小さく見えるように、物の見え方は距離によって変わってきます
それは、もちろん線の太さも変わってきます
それに、光の当たり具合によってもやはり物の見え方は変わってきますし、光が当たるということは影もできます
この光を意識して、影を入れていくことで物に立体感が生まれます
線だけだと普通の円でも、

影を入れることで光が当たっていることとなり、立体的に見えます


立体感が出てくると、絵の見栄えは断然よくなるよ!ぜひとも覚えよう!
【STEP1】線の太さを変えて線画を描こう

下の画像は、さほど線の太さを変えていくことを意識せずに描いたものです

距離の近い物は大きく見えて離れている物は小さく見えるように、線の太さも近いものは太く、遠い物は細く描くと物の距離感の違いが出てきます

また、物の外線は太く描き、内側の線は細く描くと見栄えがよくなります
この点は、以前ベッドを描いたときにも触れましたね

シャンデリアだけ、なんだか線が太くて目立つので、シャンデリアの線を細くしていきましょう
ってことで、描きなおしたのがこちら


まあ、線の太さについては、「線画描く前に言っておけよ!」って話なのですが……
【STEP2】影のベタ塗りを入れていこう

光源を意識して、ベタ塗りで家具に影を入れていきましょう
椅子の座の下の足の付け根や、布のシワの隙間、鏡の下の台の隙間などなど
また、ベッドの柱や椅子の座、椅子の足などは光沢のある素材ということで、黒ベタを入れていっています
ベッドのシーツや、カーテンにはあまり入れずにいます


だいぶ、見栄えがよくなってきたのではないかと
【STEP3】一部分の線を抜いて距離感や立体感を出そう

光が当たるとまぶしくて、人の目には物が見えなくなるでしょう
線を抜くことで光が当たっていることが表現され、影を入れることに加えて、より立体的に見えます
遠くにあるものは、光の当たる部分を少し抜いてみましょう
これにより、より距離感が出てきます
また、近くにあるものも、内側の細い線を一部抜きましょう
少し立体感が出てきます

この二点を意識して、家具の線を一部抜いていきます


はぶくのも技術の一つ
【STEP4】線を引いて影を入れる方法

ベタやトーンのほか、線を引くことで一部分だけ影を入れていきます
柱や壁に入れていきます
下の画像のように、壁や柱の線の流れに沿って垂直に入れたり、長手方向に入れていきましょう

あまりあちこち入れすぎず、一部分だけでいいです
光を意識せず、あちこち入れすぎたりすると、影でなく汚れに見えてしまうので注意
グラデーションにする場合はまず長めに線を引いてから、

少し斜め向きの短い線を入れていきます

加えて逆の方向に角度を強めた短い斜線を入れていきましょう

この線の影の入れ方についても以前紹介した、「マンガでわかる キラとマリアの背景が描きたい! 部屋・家具・建物編」に描かれています
以上、もっと見栄えをよくするための線画の描き方でした


本来はこれにトーンを入れていくんだけど、今回はあくまでトーンを使わずに見栄えをよくする描画法ということで
トーンを使うことを含めて、もっと背景の見栄えをよくする描画法について
こちらのサイトで詳しく書かれています
ぜひチェックを↓
https://note.com/nj_doden/n/n87ae699808a6
【おまけ】ハッチングの影の描き方

線を入れることでの影の描き方解説したので
「ハッチング」についても解説します
ハッチングは平行線を入れていくことで陰影をつける手法です
下の画像のように曲がった面でも、
曲線で描かず、直線で面に沿って線を引きましょう

明るい部分は線を少なく、線と線の幅も広めに入れていきましょう
影となる部分は線を多く、線と線の幅も狭めに
また、別の方向の線も重ねていきます
器の下の影は濃い影なので、
何重も線を重ねています

グラデーションにするとこんな感じ

まとめ:背景画力アップ法のおさらい
今回は、線の描き方、光と影について解説しました
まとめますと、
影を入れていくことはもちろん、線の太さや一部を抜くなど、メリハリをつけることで背景の見栄えはグッと変わってきます
ぜひ覚えていきましょう

黒ベタは、光沢のある素材なのかを意識して入れていこう

線で影を入れる際は、ほどほどに