
建物の窓とか地面のタイルとかは、一定の大きさで並んでいます
けれど、パースは消失点に近づくほど小さく見えていきます
消失点から近い物は小さく、遠い物は大きく描く
かつ一定の大きさに見せる作画法として、「分割法」・「増殖法」があります
これを覚えないと、窓の左右の大きさが合わなかったり、タイルの大きさがバラバラになってしまいます

ちゃんと分割法・増殖法を使わないと、いびつな形になっちゃうんだよね
なので、このページでは、
について解説します
また、増殖法については
「かんたん!マンガパース術」を元にした解説もあります
この本はパースの基礎のほか、画面構成のイメージの仕方や立体感を出す線の引き方など
背景の描き方について必要ないろんな技術を解説しています
ぜひ、チェックを↓
【STEP1】分割法

2分割法
まずは四角を描きましょう
今回は一点透視図法で描いていますので、右側が消失点に向かって狭くなっています

四角に、対角線(青線)を引きます

下の画像の丸してあるところが、対角線の交点です
交点にを通るように、縦に直線を引きましょう
これで2分割されます

分割された四角にさらに対角線を引くことで、4分割、8分割、16、32……と2の累乗数で分けていけます

また対角線の交点にパース線に沿って横線を引くと、横に2分割できます

分割した四角にさらに対角線を引くことで、分割を追加していけるのです。が、

縦に分割した状態で、一本だけ対角線を引いてみましょう

分割した縦線と一本の対角線の交点を通るように、パース線に沿った横線を引くことでも横分割できます


家の窓を描くのに、よく使われるね
3分割法
まず対角線を引いて、2分割します

2分割した縦線に向かって、分割した左右の四角、共に一本ずつ対角線(オレンジ線)を引きます

最初に2分割した対角線(青線)と、追加で一本ずつ引いた対角線(オレンジ線)の交点を通るように、縦線を引くと3分割されます

追加する一本の対角線は //でも \\でも /\でも \/でも いいです

そしてやはり縦線で分割してから、対角線を一本引くことで、

横に分割できます

3分割した四角に、さらに2分割法を使うことで、6分割できます

また、3分割した四角に、さらに3分割法を使うことで、9分割できます


分割法を重ねていくことで、細かく分割できるよ
5分割法
まず、2分割法を二回して、4分割します

分割した四角それぞれに一本ずつ、/の対角線(オレンジ線)を引いていきましょう

加えて、左上の頂点から右下の頂点に向かって対角線を一本(緑線)を引きます

/の対角線(オレンジ線)と\の対角線(緑線)の交点を通るように、縦線を引いていくことで、5分割できます

もちろん、分割した縦線と\の対角線(緑線)の交点に向けて、横のパース線を引くことで横分割できます

3分割+2分割で6分割したうえで、

/線、\線を引くことで、7分割もできます

そして3分割+3分割の9分割で、10分割することも



柵っぽい感じに分割できたよ
【STEP2】増殖法

同じ幅を増やしていく
まず、頂点からパース線を2本伸ばして、その線から縦線を2本引き、増やしていく幅(四角)を描きます
下の図も一点透視図法で描いているので、右側が狭い四角になっています

描いた四角に対角線(青線)を引きます

消失点から、対角線(青線)の交点に向かってパース線(オレンジ線)を引きます

四角の左下の頂点から、縦線とパース線(オレンジ線)の交点に向かって、/線(緑線)を上のパース線と交わるまで伸ばしていきます

上のパース線と/線(緑線)の交点から縦線を引くことで、幅(四角)を増やすことができます

同じ要領で、/線(緑線)を増やすことで、次々と幅(四角)を増やせます


等間隔に並ぶ街灯を描くときなどに使うよ
同じ幅+別の幅も増やしていく
これも頂点からパース線を2本伸ばして増やしていく幅(四角)を描き、加えてもう1本線を引いて2つの幅(四角)を描きます

対角線(青線)、交点を通るパース線(オレンジ線)、/線(緑線)を引きます

幅(四角)の内側の縦線と対角線(青線)の交点に向かって、もう1本パース線(黄線)を引きます

/線(緑線)と追加したパース線(黄線)の交点と、/線(緑線)と上のパース線の交点から縦線を引くことで、幅(四角)を増やすことができます

ただ、最初の幅(四角)の右幅が明らかに狭いですね

修正するため、まず幅(四角)の右上の頂点からから、左の縦線とパース線の交点に向かって/線(緑線)を引きます

/線(緑線)とパース線(黄線)の交点を通るように縦線を引き、余分な縦線は消して修正しましょう


大きな建物の窓を描くときなどには、これ
消失点を追加する増殖法
一点透視図法で、まず基準となる四角を描きます
四角の内がわから対角線をのばし
その先のEL上に消失点を追加しましょう

さきほど四角の内側の頂点あら対角線をのばしたので
今度は、元の消失点のパース線上の奥の頂点から
追加した消失点に向かって線をのばしましょう
加えて、元の消失点にむかって線を引いて線が交わる部分にむかって横線をひくと
四角を増殖することができます

二点透視でも三点透視でも
同じように点の追加で四角を増殖できます


消失点を追加した同じ幅+別の幅の増殖法
教室の机を描く際、
机と机の間は、机とは違う幅の空間があるかと思います
必ずしも机と同じ幅の空間ではないでしょう
ビルの窓も、窓と窓の間に幅の違う空間があることでしょう
その違う幅の空間を描く際には、この増殖法が便利です
まず、別々の幅の基準となる四角(机の幅と空間の幅)を描いて
それぞれの四角の内側から対角線をのばした先のEL上に、消失点を追加します

先ほどの増殖法と同じように、元の消失点のパース線上の奥の頂点から
追加したそれぞれの消失点に向かって線をのばしましょう
線が交わる部分にむかって横線をひくと、増殖できます

別の方向に、また違う長さの幅を増殖する場合は
新たに空間の幅の内側から対角線を引いて、もう一つ消失点を追加します

やはり、元の消失点のパース線上の奥の頂点から
追加したそれぞれの消失点に向かって線をのばしましょう

これら消失点を追加した増殖法は
「かんたん!マンガパース術」に解説されていたものです
この本には、こういったパースを使った技術のほか
パースの基本知識についてや、パースにおいて起こしやすいミスなどにも解説されています
ぜひ、チェックしてみてください↓
まとめ:分割法・増殖法おさらいしてマスターしよう
このページでは、背景を描くのに必要となる作画法「分割法」・「増殖法」について解説しました
まとめますと、
窓やレンガの壁を均等に描いたり、消失点に向かって並ぶ電灯を描いたり、など
キレイに背景を描くのに分割法・増殖法は必須です
しっかり、覚えていきましょう

背景を描く際にたびたび使うから、ぜひマスターしてね