
金属には独特の光沢があり、他の素材とは光と影の入れ方が違ってきます
なので、この光沢の理論を覚えておかないと、金属らしさが出ないかもしれません
ファンタジーものを描く場合、鎧や腕輪や剣など、金属を描く機会も多いかと思います
ぜひ、覚えていってください
また、ファンタジーものには宝石もよく出てくるでしょう
それに、金属なら錆びることもあります
これらも描き方が独特で、描画法を知らないと、なかなか描くのは難しいでしょう

色が使えないから、錆の描き方はなかなか想像しにくい
というわけで今回は、
といった内容です
【STEP1】「フレネル反射」を学んで金属の光沢を描こう

光の反射は、見る角度によって強さが変わってきます
たとえば、底の浅い湖を真上からのぞき込むと、反射はあまり起こらずに水中が見えます
が、遠くの水面を斜めから見ると、反射によって水中は見えません
垂直に近い角度で見ると反射はあまり起こらず、水平に近い角度だと、強い反射が起こるのです
この現象を「フレネル反射」と言います
それを意識して球体の金属を描きますと、視界の中央辺りは垂直に近い角度なのであまり強い光沢はありません
球体の端辺りに強い光沢ができます
また、光は地面にぶつかって反射することで「反射光(照り返し))となります
照り返しは弱い光なのですが、金属は光沢が強いので、下に薄く反射光の光沢ができます

リング状の金属や、鎖など、金属を描く際はこういったことを意識しましょう




角度による光の強さの違いと、反射光を覚えておこう
【STEP2】線画で金属の錆を表現しよう

カラーでなく、線のみで錆を表現する場合、線をいくつも重ねて描いていきます
剣で描いていきましょう
まず、アタリを取ります

剣の線は、古びた感じを表すため、ヨレヨレで描きます
ところどころ、線の濃い部分や薄い部分も入れます

線が描けたら、錆を入れていく箇所を決めていきましょう

細かく線を入れていきます
同じ方向ばかりでなく、ところどころ角度を変えて入れていきます
また一部を濃く描いたりして、汚れた感じを出します

アップにすると、こんな感じ


ところどころ角度を変えて線を入れ、濃い部分も入れていって
【STEP3】対称定規を使って宝石を描こう

宝石は、いくつもの線が規則的に引かれていて、形を取るのがなかなか難しいかと思います
まず、宝石の大きさを決めて”楕円ツール”で円を描きます
そして描いた円の中心となる部分に十字の線を引き、円の内側に、さらに小さな円を描きます

“定規ツール”の”対称定規”を選んで、ツールプロパティで”線の本数”を16にします

十字線の中心を対称定規でクリックすると、定規の線が表示されます

外円と対称定規の線が交わる部分を1つ、ペンでクリックします

その後、shiftを押しながら、別の外円と対称定規の線が交わる部分をクリックすることで、16角形ができます

内円と対称定規の真ん中の線が交わる部分をクリック

クリックした所の隣の対称定規の線の、クリックした箇所より少し上の部分を、shiftを押しながらクリックしますと模様が描けます

同じ個所をもう1度クリックします

また隣の対称定規の線の今クリックした箇所より少し上に向かって、shiftを押しながらクリック

また同じ個所をクリック

隣の対称定規の線と16角形の頂点が交わる部分を、shiftを押しながらクリックしますと、宝石の形が描けます


対称定規を使うことで、きっちり模様が描けます
線画が描けましたら、光源を決めて、薄く影のグラデーションを入れます

続けて少し濃い影を、ところどころ三角形の影の当たらない部分を残して描いていきます

さらに、濃い影を入れていきます

黒ベタも入れて

仕上げにところどころハイライトと、宝石の輝きを入れて完成

鎖をつけることで、ペンダントになります

横に縮小した上でペンダントを手直しし、メッシュ変形で宝石が横を向いているように編集します
すると、横向きのペンダントになります


ところどころ角ばってるから、影の入れ方が独特
ほかダイヤの描き方やエメラルドカットの描き方など、宝石の描き方について、下記のサイトでもっと詳しく解説されています
ぜひ、参考にしてみてください↓
まとめ:いろんな金属の描画法のおさらい
今回は、独特な光沢である金属に関する描き方について、解説しました
まとめますと、
光の反射の理論「フレネル反射」は、水を描く際にも覚えておくと便利です
色を使わずに錆を表現するのは、描き方を知らないとなかなか描けないかと思います
ぜひ参考にしてみてください

対称定規は宝石だけでなく、模様を描くのに便利だから覚えておこう