コマ割りの基本と間の演出の方法を知れば漫画の魅力度超絶アップ！

コマ割りは、漫画の読みやすさに影響してくる、とても重要な要素です

これらを間違うと非常に見づらくなる恐れがあります

また迫力を出したり、読者の読む時間を操作したりなど

演出効果もあります

漫画を描くにあたって、コマ割りの基本を押さえることは

絶対外せません

ということで、このページでは、

といった内容を書いていきます

枠線の太さが違うだけでも見やすさは変わってきますので

ぜひ、基本は押さえておきましょう

それと今回の解説は「マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド コマ割りの基礎編」からも、抜粋しています

【STEP1】コマの横枠・縦枠の幅の違いと視線の流れについて

漫画を見る際、目の動きはまず右上から左に移動し

下の段のまた右から見て左に移動するといった「逆Z」になります

ということは、以前の記事でも解説しましたね

ところで漫画のコマとコマの間の枠の幅ですが

よく見てみると横は狭く、縦は広く取られています

人は距離の近い方に目が行きやすいので

このコマの割り方は、幅の狭い左の方へと自然と読むようにしています

【STEP2】コマの幅・枠線の太さは何mm？

枠線の太さはどれくらい？

実際のところは枠線の太さは厳密には決められておらず

人によって違います

というのも、主線（キャラクターなどの線）の太さは人により違ってきます

その主線によって、枠線の太さも変わってくるからです

主線が細めの絵なら枠線も細くしないと、見せたい絵の印象が薄くなってしまいます

主線が太めの絵なら枠線も太く描かないと、枠が見づらくて読みにくくなります

それと枠線は、基本主線より少し太めに描きます

明確に決まっていない枠線の太さですが、基本は0.5mm（7px）～1.0mm（14px）ほどとされています

0.8mm（11px）くらいで描くことが多いようです

ただ、少女漫画を描く場合、少年・青年漫画より枠線が細めとされています

その点は検索して調べてみてください

コマとコマの間の幅は？

コマとコマの間の幅も決められているわけではないのですが

基本は、

です

そのほかの線の太さは？

ちなみに主線の太さは、B5サイズの600dpi(pixel/inch)で1.2mm（17px）～1.7mm（25px）

といっても、キャンバスの大きさでペンのサイズは変わってしまいますし

筆圧の強さもあります

なので、読者の見やすさを意識して、自分に合ったサイズ探りましょう

吹き出しの太さは、0.3mm（4px）～0.4mm(6px)です

ただ、主線と同じくらいに描いている人もいるようなので、もっと太くてもいいでしょう

吹き出しについては、こちらの記事で説明しています↓

【STEP3】コマ割りってどう割っていくの？

1ページのコマの数は？

だいたいは1ページにつき、2列・3段の6コマが見やすいとされています

段数は多くても、4段に

列数は多くても、3列に留めましょう

最近は、スマホで漫画を見ることもあるので

あまりコマが多いと小さくて見づらくなってしまいます

ただ、とはいえ全部同じように6コマにしてしまうと

メリハリがなくてつまらなくなります

見せたいシーンなどはコマを少なめにして大きく絵を載せるなど、変化をつけたりしましょう

また、ページ数が限られている場合

やはり6コマを超えるページも出てくることでしょう

それでも、8コマ前後に抑えるのが妥当かと思われます

大きなコマの役割は？

やはり大きいコマには、それだけ見せたい重要なシーンを入れるのがいいでしょう

それだけ目立つわけですから

アクションものならキャラが激しく動く場面

殺人ミステリーものなら人が殺されるシーンなど

ストーリーもの（ギャグ漫画以外のジャンル）とかなら

コミカルなギャグシーンはそんなに重要でないので、こういったものは小さなコマへ

斜め割りのコマはどんなときに使う？

バトルシーンや、スポーツものなら激しく動くシーン

ほか、心の不安定感を出すシーン（めまい・恐怖感などを出すシーン）では

斜めに割ったコマがよく使われます

ただ、斜め割りのコマは、使いすぎると読みづらくなるので注意

断ち切りコマの使い方とは？

通常漫画のコマは、原稿の内線の中で割って絵を入れていくのですが

断ち切り線を超えるところまでコマを割って、絵を挿入することもあります

これを「断ち切りコマ」といいます

描くスペースを広く取る分大きなコマができるので

目立たせたい絵を入れる際に使えますし、画面にメリハリがつきます

また、コマ割りの仕方に変化をつけることで

読者の目線の流れを変えることもできます

断ち切りコマの絵は、印刷された際に妙な余白ができてしまわないよう

外枠までちゃんと描きましょう

ただ、見せなきゃいけない部分は、断ち切り線内におさめましょう

けれど、web用に漫画を描く場合は印刷は想定する必要がないのと

「スマホでも見やすく」ということが重要視されます

なので基本は断ち切りまで描いて、たまに内線にとどめることも多いようです

【STEP4】漫画の「時間の流れ」とは？

コマとコマの間に流れる時間について

ここから「マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド コマ割りの基礎編」をもとに、解説します

この本は、生徒二人に漫画の先生がノウハウを伝授するコンセプトで描き方解説されていて

コマ割りの基本がとてもわかりやすく学べます

コマ割りの役割は、ただ別々の絵をおさめるだけでなく

時間の流れも表しています

下の画像は、犬にボールを投げて取ってこさせる様を描いています

コマ1つ1つは別々の絵ですが

ボールを投げて犬が取ってくるということは、そのいきさつに時間が流れているということです

また、コマに入れる絵により

時間感覚に変化をつけることができます

下の画像は、上のものと同様に犬にボールを取ってこさせていますが

ボールを投げるのに一度振りかぶっている分、時間の流れが上のものより遅くなっています

1つのコマ内の時間の流れについて

コマとコマの間だけでなく、時間は同じコマ内でも流れています

通常、漫画は右から左に見ていくもの

下の画像のように、まず読ませるべきセリフが左に来てしまうと

会話のつじつまが合わない印象になってしまいます

なので、読者にまず読んでほしいセリフは右に置く必要があります

このように、セリフを読む流れがあるというのは

同じコマ内でも時間の流れがあるということです

さて「マンガのマンガ コマ割りの基礎編」では

次の文章から生徒にコマ割りさせて描かせるシーンがあります

生徒は慣れていないので

書かれていること1コマ1コマすべて描いてしまいます

これでは、非常にテンポが悪くて読む気が失せてしまいますね

それで、かとうひろし先生は余分なコマを破棄して、4コマにおさめます

物を拾えばそれを確認するために目の前に持っていくのは当然の行動なので

目の前に持っていく絵は無くても、読者は自然と想像力で補えます

こうして余分なコマを省くことで、テンポを良くすることができます

ただ、さきほどの文章をよく読んでみますと

「気づいた男は、それを拾いあげ……」

とあります

男が”それ”をどう拾い上げたかについては

書かれていません

画像では立った状態でかがんで拾いあげていますが

しゃがんで拾い上げた可能性もあります

つまり、かがんで拾い上げて「なんだ？これは」という2コマの行動も

しゃがませて拾い上げることで1コマにとどめて3コマに抑えることができます

もしくは、かがんで拾い上げるという行動を、1コマにおさめることもできます

この「しゃがんで拾う」行動や「かがんで拾う」行動を1コマにおさめるというのは

コマ内に時間の流れを作ることで、複数のコマを圧縮しているということです

ただ、拾う行動を描かずに

“それ”を見つけた後にいきなり「なんだ？これは」と物を眺めるコマが来てしまう場合

その眺めている物は拾った”それ”なのか

あるいは男がポケットにでもしまっていた別の物なのか、判別しがたいです

その点は、注意して描きましょう

「マンガのマンガ コマ割りの基礎編」にはコマの時間の流れのほかにも

絵のアングル・ショットなど、さまざまな基礎テクニックを解説しています

とても勉強になるので、もしよければチェックしてみてください

漫画における「間」の役割について

ボクシングの試合で、相手をノックアウトさせるシーンを描くとしましょう

これだと、なんだかノックアウトさせた感じが薄いです

なので、パンチを食らわせた後

相手が倒れていく様を描いたコマを挿入します

これによりシーンに「間」ができて

ノックアウトした感じが強くなります

「間」を活用することで、読者に印象強いシーンが描けるのです

「間」はコマとコマの間だけでなく

1つのコマ内でも、空白を作ることで生み出すこともできます

「間」を取る手法については

こちらのサイトでもっと高度なテクニックを解説しています

より良い作品作りのためにも、ぜひ参考に↓

https://anouemang.com/mang-koma

しかし「間」を取るということはそれだけコマ数が多くなるので

ストーリー構成に支障が出たり、ページ制限に注意しましょう

横長のコマ・縦長のコマの使い分け

基本、横長のコマは、読者にゆっくり見てほしいシーンに使います

縦長のコマに比べて「間」があると言えます

「間」を必要としないシーンは、縦長のコマに入れましょう

こうして、読者の読むスピードを意識してコマ割りと絵の挿入をしていきましょう

漫画での別々の場面を同時進行させる方法

解説してきたように

コマとコマの間や同じコマ内でも、漫画には時間の流れがあります

もし、たとえば「母親が朝食の支度ができたのでフライパンを叩き

その音で別々の部屋にいる家族たちが一斉に起きて居間に向かう」というようなシーンを描くとします

しかしコマとコマの間には時間が流れるので

それぞれ違う部屋にいる家族たちは、1人1人起きていくことになります

起床を同時進行させるために、家族が起きるコマとコマの間の縦・横幅を統一させましょう

これにより時間の流れ差がなくなります

【おまけ】キャラの位置関係がわかるように描こう

もう一つ「マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド コマ割りの基礎編」より

キャラのアップばかりで、どういう配置にいるかわからない漫画は意外と多いです

ちゃんと読者に、キャラがどういう場所にいて、どういう行動をとっているか

わかるように描きましょう

まとめ：漫画の演出能力200%アップのコマ割り・間取り法のおさらい

コマ割りは漫画独自の表現手法であり、読みやすさ・演出に関わるとても重要な要素です

今回は、そのコマ割りについて解説しました

まとめますと、

枠の幅など、コマの基本的なことでも、知っているようでなかなか知らないことも多いかと思います

また、斜め割りコマや「間」の活用は、漫画の質の向上にとても重要です

このページに書かれているほかにも、ぜひ、いろいろ調べて学んでみてください

でも単調にならないよう、コマ数を変えていくことも

覚えることは多いけれど、がんばって描いていこう！