
いきなり背景の下絵を描こうとしても「何をどう描いていいのかわからない」、となってしまうことでしょう
なので、まずは背景に置く物(家具)をリストアップし、間取りを考えて図を描いていくとイメージしやすくなります
このページでは背景をキレイに描くために、
という手順で解説していきます

いきなり描こうとしてもなかなかイメージできないから、間取りを考えるのは大切だよ
【STEP1】部屋の間取りを考えて図を描こう

まず部屋の広さを考える
豪邸とされる家の寝室が8畳ほどあるらしいので、今回、お城の部屋ということでさらに広く12畳に設定してみます
ちなみに、12畳とはたたみ12個分の広さとのことで
畳1つは横90cm縦180cmとなっています


要は90cmの正方形が2つ連なっているってこと
この図の部屋、24個の四角で区切られていますが、四角は90・90cmの正方形と思っておいてください

ファンタジーというと、4世紀末から15および16世紀末の中世ヨーロッパがモチーフとされています
が、その史実に基づいて描くというよりは、世間でイメージされているものを想定して描くつもりです
ってことで、アニメやロココ調の家具を参考にして描いていきます
リアリティ追及は大切とされているので、史実を調べていくことももちろんしていきます。が、
といったこともあるので
ただ、史実の情報もいくつか発信していく予定です

中世ヨーロッパの史実って、だいぶ世間のイメージと違うんだよね
ベッドを配置
ベッドの寸法は、
お城の高貴な人の部屋ということで、キングサイズを真ん中に置いてみました
ですが、正方形のほうが配置がわかりやすいので、奥行も180cmに

あくまでwdh(幅・奥行・高)の設定は目安ということで
絵的におかしくなければ、別にいいかと
h(高さ)は高級感のある高い天井のベッドということで、230cmに
床からマットレスまでの高さは、
となります
標準ということで40cmに

豪邸だから、ベッドは豪勢に大きいものを
窓を配置
ベッドの両脇の壁に窓を配置
w160・h200なのですが床から窓の下までの高さは80cmに設定
なので、h280cmと大きな窓です

ちなみに、部屋の天井の高さまでは考えてません

本来そこも設定すべきなんでしょうけれど、部屋も広けりゃ、天井も高いということで
机と椅子を配置
手紙を書いたりする用の机と椅子を、左窓の手前に設置
wは窓と同じ160cm、d60h80
床から引き出しの下までの高さが60cm
椅子はw50d50h90で、シート高は45cm

机の高さ・引き出しの高さ、もうちょっと高いかなぁ……

部屋をどう描くかイメージしやすくするための、あくまで目安の設定ですので
本棚と本を取る台を配置
壁に本棚を埋め込んでみました
なんか、中世風の部屋の写真にそういう本棚があったもので
h200と高いので、本を取るための台も設置

小タンスを配置
右窓の前に小さなタンスを
高さは窓の位置に合わせて80cmに

化粧台を配置
女性の部屋ということで、化粧台(鏡台)を配置
椅子は、背もたれのない丸型の椅子を想定

クローゼットを配置
ドレスなどを入れるクローゼットを配置

ちなみに、設置した家具すべて絵に入れるというわけではありません
設置した上でカメラの位置を決めて、映るもののみ描いていきますので
なので部屋の隅に置いたクローゼットは、描かれないかもしれません

それでも、配置だけはしておきました
暖炉と椅子を配置
中世ヨーロッパの部屋というと、暖炉かなということで
暖炉の広さ・高さを調べてもわからなかったので、「だいたいこのくらいかな?」と思う大きさに設定

一人用のソファーを配置
複数人が座るソファーでなく、一人で座るソファーを二つ配置
椅子のシート高はだいたい、高さの半分ほどです

絨毯を配置
部屋にはやはり、絨毯もいるでしょう
ただ、史実によると中世ヨーロッパの絨毯は壁にかけていたそうです
装飾のためだけでなく、隙間風避けの役割もあったとか
絨毯は高級なので、床に敷いて踏むのは軽蔑されるとされています

壁掛けのほか、椅子やテーブルにも掛けていたそうだよ
ただ、今回は一般的イメージで描くということで、絨毯を設置しましょう
あまり物の置かれていない、一人ソファーの下に敷いてみました

90の倍数だとわかりやすいので、w360d180に設定しています
ドアを配置
当然ドアがないと部屋に入れませんので、ドアを設置
通常、ドアは、
くらいとのことですが、h180でwを少し広めの90、ドアノブの高さを90に設定

シャンデリアを配置
部屋を照らすためのシャンデリアも、設置してみました
大きさが調べてもわからなかったので、これも「だいたい、このくらい」と思う大きさに設定

こういった家具をリストアップしたり、wdhを考えておくなどは、「マンガでわかる キラとマリアの背景が描きたい! 部屋・家具・建物編」で学びました
そもそも最初に掲載した

このキッチンの背景を描けるようになったのも、この本がきっかけです
以前の記事でもお見せしたとおり、それまでは

こんな感じでした
それが、この本を読んだおかげで、だいぶ描けるようになりました
この本はほかにも階段の描き方や、カーテンの折り目やシワの構造など、タイトルのとおり部屋・家具・外の建物について詳しく描かれています
背景の描き方ドリルもあるので、初心者が背景を描くのを学ぶのにはうってつけのマニュアルかと思います
下絵の前にアタリを描こう

カメラを設置しよう
間取りの図が描けたところで、カメラを設置して、映った場所を描いていきます
下の赤丸した位置に設置しました

ソファーが手前にきて、ベッドが中央にくる感じとなります

カメラを設置することで、配置した家具がどう映るか想像してみよう
パースをよく考えて描こう
いきなり下絵を描かず、まずアタリとなる四角を描いていきましょう
途中ですが、てきとうにベッドのアタリを描いてみたのですが……


これは、ひどい……
パースがまるで考えられておらず、思いつきだけで描いちゃってます
アイレベルをベッドの中間の高さより少し上にして、消失点は画面外に設置したとします
すると下の画像で指摘しているように、明らかに角度のおかしな線だらけです

これがアタリを取らずに、いきなり下絵を描いていたとしたら
実際のパースの角度との誤差がありすぎて、絵を描く目安としての下絵の役割が果たせなくなってしまいます
やはり、パース定規を活用してアタリを取っていったほうがいいでしょう
(ただ、最初にパース定規を使って描こうとしたら、イメージしたように描けなかったもので
それで、まずパース定規を使わずに描いてみました
人によってどういう描き方から入ったほうが描きやすいかとか
慣れの問題とかがあるかと思います)
家具の配置に四角を描こう
アイレベルをもっと上の画面外に設定して、パース定規でアタリを取ってみました

家具の下絵を描こう
アタリを元にネットの画像や写真、アニメなどを参考に、家具の下絵を描いてみました

といっても、別の人が描いたものをそのまま使うのは、著作権違反の恐れがあるのであくまで参考ということで
次のページでは、この下絵をもとに線画を描いていきます

いよいよ、本格的に背景を描いていくよ
まとめ:背景は下絵の前に間取りを考えてアタリを取って
今回いよいよ本格的に、背景の描き方について解説しました
といっても、下準備のため間取りを考えることが主ですが
まとめますと、
家具の配置図と大きさを設定しないまま背景を描こうとしても、慣れないうちはなかなか絵のイメージが湧いてこないかと思われます
まず間取りの図を描くことで、背景描写をイメージしましょう

でも、配置図や大きさはあくまで目安
絵的におかしくなければ、きっちり設定どおり描かなくても大丈夫