
ページが長いと賞は狙えず、雑誌にも掲載しづらい
雑誌に掲載されやすいのは、26~32p(おおよそ100コマ)
なので「コルクラボマンガ専科」の動画を参考に
32pの読み切りの描き方で
まず冒頭4pで”情報”を描いていくことを解説しました
その記事のリンクはこちら↓
また、編集者さんは漫画に面白さが足りないと判断すると
「ページ減らして」と要求することもあるそうです
それも踏まえて、短くまとめることは大切でしょう
今回は続きで、5~24pの描き方について解説
といった内容の記事となります


短くまとめて、読者を惹きつける漫画に仕上げるには型を覚えるのが大事
【STEP1】5~8pは”これどうなっちゃうの感”を


“これどうなっちゃうの感”とは
例えば
『名探偵コナン』なら、体が縮んだ新一は今後どうなる?
『オトナ帝国』なら、洗脳された大人たち、残った子供たちはどうなる?
『進撃の巨人』であれば、超大型巨人が壁を破壊し、主人公を食べてしまう。この世界はどうなる?
などなど
「この先、どうなっちゃうの?」と読者に思わせることで
読者に先を読みたくさせます
また、この展開があることで物語を先に進んでいきます
8pくらいにまで”これどうなっちゃうの感”を入れておかないと
テンポが遅くなってしまいます


“これどうなっちゃうの感”があると、読み進めたくなるよね
【STEP2】9~12p、13~16pにはキャラのしたいことを


9~12pは、
主人公が、この状況に何をしようとするのかを描きましょう
(動機、もしくはモチベーションなどともいう、要はこうしたいんだっていう想い)
主人公のしたいことが出ると
13~16pは、
2番目の主人公(バディ)がいる場合、そのキャラのしようとすることを描きましょう
後の展開で主人公とバディのしたいことを対立させますが、
主人公とバディのしたいことは違っていながらも
同じ目標に向かって一緒にやりとげようとします
この、したいことの違いが大きいほど物語は面白くなります
破綻するギリギリなくらい、したいことの違いが大きい二人を交わらせると話は面白くなります
もしバディがいない場合、例えば将棋漫画などでは
将棋の世界で望まれていることが描いたりなどしましょう


したいことがあるからこそ、物語が動くんだね
【STEP3】17~20pにキャラ同士の対立を


主人公のしたいことと、バディのしたいことを対立させましょう
主人公とバディのそれぞれの理想の状況を見せて、対立を
対立させることで感情が高まりが起きます
相手がいない場合は、”葛藤”を
対立・葛藤の描き方が弱いと編集者から「ドラマがない」と言われる恐れも
作者が主人公のことをよく理解し、読者にわかりやすく描くことが大切です
主人公は何に向き合っているのか、しっかり考えましょう


対立・葛藤が、物語には必要なんだね
【STEP4】21~24pにキャラの深部を


なぜそれをしたいのか
主人公自信が自己理解する場面です
主人公が自己理解を深める様子に読者も追体験します


主人公のことを、作者がよく理解することが大切
【STEP5】クライマックスを描いていこう


漫画は”感情”を伝えていくこと
漫画は”感情”を描いていくことが大切とされています
そして、伝えたい感情は何なのかはクライマックスに入っていることが多いです
そのクライマックスの感情を伝えるために
フリでいろんな感情を伝えていくことが大切です
感情の種類については、画像の「プルチックの輪」を参照


また、コルクラボのサイトで
“感情”と、その感情をよりよく伝えるための効果的な”演出”の、
2種類のカードが引けますので
それを参考にするのもいいかもしれません
リンクはこちら↓
感情の種類と流れ
何もないのに、人がいきなり楽しい気持ちになったり、怒りたい気持ちになったりしません
なので感情だけを先に考えることは、そうそうできません
“感情”は何か”できごと”があって引き起こされます
何か楽しいできごとがあることで、人は楽しい気持ちになります
この”できごと”の後に出てくる感情を”受動的感情“と言います
そして、その後に「こうしたいなぁ」という気持ちが出てきます
この感情を「能動的感情」といいます
物語は”アクション→リアクション”の繰り返しなのですが、
リアクションの中に、受動的感情・能動的感情の2種類の感情があります
32pを4pごとに分けた8つのエピソード1つずつに、目安として
できごと→受動→能動の流れを3~4回入れましょう
(といってもあくまで目安なので、必ずそうしないといけないわけではないです
多くの場合、できごと→できごと→できごと→受動的感情で
物語のリズムにより、その点は変わります
物語始めは”できごと”が多く、
クライマックスに近づくについて”感情”が増えていく流れで描いたりもします
“できごと”が5連続以上続くと、飽きられてしまう恐れもありますが、それもあくまで目安ということで
ただ、よほど意図がない限りは避けた方がいいでしょう)
受動的感情・能動的感情の見本として
「宇宙兄弟」のエピソードを入れておきますので
よければ確認してみてください






“感情”は本当に重要なので、よく覚えておこう
“引き”とは、漫画のページ見開き左下、最後のコマのことです
引きの次のページの初めのコマは”めくり”と言います
引きは、次のページを読み進めたくなる工夫のいるコマです
ここにオチを描かず前振りを描いて、
めくりでオチに繋げるのが漫画の展開の基本となります
例えば僕が
「漫画を描くうえで一番重要なことを言います。それは……」
というと気になることでしょう
このように前振りとして読者が気になることを描くことで、めくりに繋げます






ページをめくってもらうのにも、工夫が大切なんだなぁ
できごと→受動→能動の流れに加えて
おおよそ3~4コマに”引き”のコマも入れましょう
“引き”の参考漫画:
編集者の佐渡島さん曰く
“引き”がうまく描けているのが「聖☆おにいさん」
左下のコマで会話を途中でやめて
見開くと会話の続きが描かれている
“気になることを途中でやめる→答える“というリズムができているそうです
漫画での”盛り上がり”とは、強い感情が入ることなのですが
いきなりその感情で盛り上がるのでなく
そこに到達するまでのフリで1つのエピソードごとに、できごと→受動→能動が3~4回と
3~4コマの引きのコマなどが入ってくることで
25~28pで強い感情が引き立ちます
漫画は1つのエピソードに、できごと→受動→能動が繰り返される
読み切りの場合、それが8つ繰り返される
漫画は同じパターンの繰り返し
なので、ストーリー漫画の練習をするなら
1p、3~4コマ、2p、4p漫画と短い単位を描くのがいいでしょう
3~4コマで意味を伝えるのが基礎となります
練習の際”できごと”は
「宅配便が届いた」くらいの何気ないことの方が練習になります
漫画は「何か面白いネタがないと描けない」と思いガチですが
何気ないできごとに受動的感情・能動的感情を入れることで、読めるものになります
些細なできごとで描けるほうが、技術が磨かれます
新人漫画家は”できごと”で読者を引き込もうとするそうで
が、”できごと”は作者が好きなように作れるため、読者はあまり気にならないです
例えば、漫画の中のナレーションで
「ここには爆弾がしかけられている」と言わせたとします
それを見ても読者は気にならず「何か言ってるなぁ」程度にしか思いません
強烈な設定をいきなり追加したところで、読者は続きを気にならないのです
人は感情に反応する動物で
どうやって気になる感情を入れていくか
その感情が唐突すぎないようにしつつ
リアリティをもって描いていくことが重要となります


“できごと”ばかりじゃ、ダメなんだなぁ
どのキャラの視点で描かれているか
感情を多く描けても
どのキャラの視点で描かれたシーンなのか明確でないと
そのキャラの”したいこと”が明確でなくなり
また、あまりほかのキャラの感情がごちゃごちゃ入ってしまうと
読者が誰の感情に寄り添えばいいかわからなくなる恐れもあり、
面白くなくなってしまいます
今描いてるシーンがどのキャラの視点なのか、意識しましょう
覚えておくべきは、そのシーンメインのキャラ以外の感情は”できごと”となることです
できごと・受動的感情・能動的感情の見本ということも踏まえて
それぞれのキャラの視点で描かれた「宇宙兄弟」のエピソードを載せておきますので
よければ確認を
黄色=できごと、赤=受動的感情、青=能動的感情
最初はできごとが続き、その後、兄寄りの兄弟二人の視点
弟視点、兄視点となります














どのキャラ視点のシーンか、よく意識しよう
クライマックスの描き方については、
また別の記事でさらに掘り下げていきます
そこで”感動”の描き方について解説します
まとめ:32pの読み切り5~24pとクライマックスの描き方おさらい
今回は32pの読み切りのうち5~24pの描き方
それと、クライマックスの”感情”の描き方について解説しました
特に”感情”はクライマックスに限らず
どのシーンでも描かれ、読者を惹きつけるために必要なものなので、
ぜひおぼえておきましょう
キャラの感情が描かれていないと、つまらなくなってしまうので注意!
まとめますと、


感情やシーンの視点など、今回は漫画を描くにおいてとても大事な解説なので、ぜひ見てね