
豪邸の明かりというと、シャンデリアのイメージがあります
またファンタジーのお城の明かりというと、シャンデリアのイメージでしょう
しかし、正直どういう構造をしているのか、よくわからないという人も多いでしょう

複雑でむずかしいよね……
このページではシャンデリアの構造について、簡単にではありますが、イラストで見せていきます
(といっても僕も実物を見たわけではないので、イメージで描いている部分もありますが
それらしいものが描ければ、それでいいかと思います)
また中世ヨーロッパの明かり事情についても少し解説しますので、創作設定のリアリティ追及の参考になるかと思います
【STEP1】シャンデリアってどんなの?

シャンデリアの構造
天井から鎖で、シャンデリアの中心となる部分が吊るされています
中心部分は以前描いたベッドの柱のように、球体や楕円のようなものがいくつか連なっています
加えてお皿っぽいのがくっついています

S字を横にしたような棒が下のお皿から伸びてきて、その先のお皿からロウソクが立っています

それがいくつか円状に伸びています
ときどきキャンバスの左右を反転させながら、描いていきましょう
反転させることで絵がゆがんでいたり、シャンデリアの左右の比率がズレていたりするのが、わかりやすくなります

ちゃんと描けてるようでも反転すると歪んでいるから、たびたび反転して描いていこう








ロウソクのお皿の下、中心部分の上下のお皿などに、飾りをつけます

拡大すると、こんな感じの飾り

さらに中心部分の上のお皿から、ロウソクのお皿に向かってアーチ状にクリスタル球体を連ねた飾りがつけられます

もっと大きなものを見てみましょう
中心部分とアーチ状のクリスタルの飾りがもっと長くなり、下段にも上段より広めの円状にロウソクが並ぶかと思います

描くのに恐ろしく時間がかかるので、下絵で済ませましたが……
シャンデリアの形はほかにもいろいろありますので、Youtubeで「クリスタル シャンデリア」で検索してみましょう
組み立てのショート動画が出てきますので、参考になるかと思います

シャンデリアの構造が映像で見て取れる
昔のシャンデリアについて
一般的にシャンデリアと呼ばれている、このページに掲載したようなクリスタルの装飾されたものは、「ルイ16世風」と呼ばれるタイプのものです
シャンデリアが登場したのは11世紀初めで、その頃の形状は車輪型・王冠型でした

実際はこんなシンプルでなく、もっと複雑なデザインかと思いますが
こんな感じの丸い形状だったとのことです
主に教会や修道院で、広いホールを照らすのに用いられました
15世紀以降は形が複雑になり装飾され、宮殿や貴族の家に置かれるようになりました
18世紀初期に、カーブした真鍮の腕木のついたシャンデリアが作られ、商人の家に置かれるようになりました
【STEP2】中世ヨーロッパの明かり事情

中世ヨーロッパのロウソク
ヨーロッパにおいてロウソクは紀元前7世紀頃からあり、古代ローマの時代の後期に獣脂ロウソクができました
脂に、麻や綿の布でできた細い糸(灯芯)を指して固めたのが「ロウソク」です
主に羊肉から抽出した油が使われたり、もしくは牛脂を使用したものがあります
獣脂ロウソクは一般家庭でも手に入り、自分たちでも作ることができました
が、臭いので中世末期の貴族は、蜂の巣の一部を切り取って精製したロウソク(蜜蝋)を使用していました
とても香りがイイのですが、高価で一般家庭では手が出せません
18世紀後期になると、鯨油から作られるようになります
蜜蝋より臭いが少なく、明るさが強いです

ロウソクにも、いろんな種類があるんだなぁ
ロウソク以外の明かりは?
電気のなかった中世ヨーロッパ(4世紀末~16世紀末)において、ロウソク以外の明かりは、主に以下のものだったそうです
ランプ
ランプというとゲームで出てくるようなランタンや、アラジンの魔法のランプを思い浮かべます
が中世ヨーロッパのランプは、
といったものの油を皿に注ぎ、灯芯を乗せて燃やしていたそうです
油の原料は、地域によって採れやすいものが使われていました
主に
が一般家庭に使われていたとされていますが、燃やすととても臭うので、貴族には好まれなかったようです
一番上質で貴重なのは鯨とされています
ちなみにランプの定義とは、火・電気とわずガラスやホヤといったもので覆ったものとのこと

やはり、鯨が貴重らしい
囲炉裏と暖炉
ロウソク・ランプを買う余裕がない一般家庭では、おもに囲炉裏を明かりにしていました
囲炉裏は、石や固めた土で囲んで作られていました
一般家庭にレンガ造りの暖炉と煙突ができ始めたのは14世紀前半で、それまでは体を暖めるための暖炉と、料理用の囲炉裏とは分化されていませんでした

中世ヨーロッパの家というと暖炉のイメージだけど、元からあったわけではないんだ
煙突がない頃は、炉から出る煙を外に出すために屋根に穴をあけていたのですが、あまり効果はなくて家の中はすすだらけでした
松明
樹脂を浸した布を巻き付けた木の棒を燃やしたり、樹脂の多い木切れを束ねて燃やしたものが、松明です
松の木は特に樹脂が多いので、松脂(まつやに)が主に使われていました
中世ヨーロッパの城では、松明をかけるフックや壁に松明を差し込む輪がついていました
ただ、敷物がすすがだらけになるので、城内で松明を使うことを嫌う城主も多いです
しかしロウソク(蜜蝋)は貴重なので、来客時や特別な行事がある場合以外では使えませんでした

ロウソクのほうが一般的なイメージだけど、普段は松明を使っていたんだね
まとめ:ファンタジー世界の明かりについておさらい
今回は、シャンデリアと中世ヨーロッパの明かりについて書いていきました
まとめますと、
史実を調べることで、世界観設定に説得力がでます
中世ヨーロッパの明かりの事情について知ることは、ファンタジー創作の参考になるかと思います

シャンデリアは写真見るだけだとわかりづらいから、構造がわかると描きやすくなるかも