
前のページで中世ヨーロッパ風の部屋の下絵ができましたので、このページでは、線画を描いていきましょう
ただ、ロココ調の家具って、けっこうぐにゃぐにゃ曲がっていて、なんだか描きづらいです

ホント、ぐにゃぐにゃしてるんだよね
というわけで、今回は椅子を描いていくことで、
を学んでいきましょう
【STEP1】曲線を引くための目安の線を引こう(注意:ちょっと手間かかる)

下の画像の赤丸してある左の椅子を描いていき、解説していきます

曲線を引くにあたって、下の画像のような目安となる線をまずは描いていくつもりでいます

まず椅子の幅に合わせて、床に四角を描いていきます

床の四角に足の高さに合わせて縦線を引くことで、立方体を描きます

2分割法で立方体の側面を縦・横分割
これで1つの側面内に四角が4つです

分割法については↓のページで解説しています
そして3分割法で、3つの四角に分割
1つの側面内に四角は6つ(真ん中に縦線があるから実際は四角8つ)になりました


上の3つの四角に、さらに横線を引いて分割
(これは2分割法を使ったのではなくて、僕が思い付きで引いた線です)


さらに3分割法を使って、9分割


そしてさらに、側面の上を横に2分割……


って「さっきから分割分割って、何してんねん」って話なんですが
さっきも言ったように、こういった目安の線を引いていきたいわけで


足の部分は消して、上の座の土台部分で説明しますと
下の画像の青い線が側面の真ん中部分で、赤い線の部分が線対象になっているわけで


直線なら描くのは簡単なのですがところどころ曲線があって、それをきっちり線対象に描いていかないといけないわけで


目安の線を対称に引いていくために、分割法を使って、グリッドを引いているというわけです




きっちり線を引くとなると、グリッドを引いていくことになるんだよねぇ
座の土台部分が描けたので、次は手前の足を
下の画像の赤線部分に向けて”く”の字に曲がっています
また、赤線部分は、青い四角のグリッドから少しはみ出ています


ただ椅子の実物を見たわけでなく、あくまで写真などを参考にした程度なので
足部分の形がよくわからぬまま描いています
なので、対称になっていないかと
しかし、漫画見ていて背景の椅子を細かく見るような人もいないでしょうから
そこまで完全にきっちり描く必要もないでしょう
このようにグリッドを引いたりしてきっちり描きつつも、目分量や思い付きで描くことも織り交ぜて、背景描写していきます
奥の足を描いていきますが手間の足先を目安にパース線を引いて、奥の足先を描きます


左奥の足先を右奥と左手前の足先を基準にパース線を引いて描いていき、足を描き上げます
これで、椅子の足の目安線は完了


次は背もたれ部分ですが背もたれは少し斜めになっているので、まずグリッドの縦線を斜めに一本引きます
この斜め線はパース線ではないので、Shiftを押しながら引きましょう


引いた線のレイヤーをコピペして、右にスライド


2本の斜めの線を基準に、四角を描きます


足の時と同様に、目安線を対称に引くためのグリッドを引きます


グリッドを元に目安の線を引いていきます


ちなみにグリッドを目安にして引いたのは、下の画像の緑線部分で(一部目分量で描いたものもあり)、


下の画像の紫部分の線は、その線を基準に平行に引いていったものです


次は、座の土台と背もたれを繋ぐ棒の部分
水色で斜めの縦線を引いて四角を2つ描きます(目分量で描いています)


2分割法で、横に分割
これで両脇の四角の真ん中がわかりました


平面の四角の奥行の線を基準に斜め線を引いて、”く”の字に曲がった棒の目安線を引きます


座椅子のクッション部分の目安線を引きます
これはザッと思い付きで引いていきました




こんな風にいろんなところで曲がってるんだよね、ロココ調の椅子って
【STEP1.5】クリスタ機能でもっと楽にパースのグリッドを表示させよう


やはり上記の方法でグリッドを描いていくのは手間がかかるので
クリスタの機能でパッと出す方法も解説します
レイヤー/定規・コマ枠/パース定規の作成で、パース定規を出しましょう
操作ツールのオブジェクトを選んで、パース定規をクリック
ツールプロパティで三つのグリッド表示を選べるので
クリックして表示させましょう
画像では「XZ平面」を表示させてます


同じくツールプロパティで、グリッドサイズを調整できます


加えて、操作ツールのオブジェクトでパース定規をクリックし
下のほうにある丸(ハンドル)をドラッグすることで、グリッド自体を動かせます


拡大すると、こういう形のハンドル


クリックすると赤くなります




ただでさえ背景描くのはたいへんだから
こういう機能を活用していこう
ちなみに、このグリッド表示法は
「デジタルパース塾 CLIP STUDIO PAINTで描く背景講座」で解説されていたものです
この技法書は、クリスタの基本的使い方を解説したうえで
パースの基礎をわかりやすく教えてくれます
クリスタで背景を描く際、非常に役立つ技法書ですのでチェックしてみてください
【STEP2】曲線ツールで線画を描こう


図形ツールをクリック(もしくは“U”キーを押す)すると、曲線ツールがあるので、それを選びます


曲線ツールの使い方は、まずクリックしたら押しっぱなしにして、ドラッグ
すると線が引かれますので、引きたいところまで伸ばしたらマウスのボタンから手を離します


その後マウスで移動するとその方向に歪曲しますので、そこでクリックすると、曲線が引けます


というわけで、目安線の端から端までドラッグして線を引き、歪曲させて線画を引いていきましょう


線画完了!




曲線を手描きするのは難しいから、ありがたいツール♪
座の土台部分に模様も描いていきましょう
かなり小さくて、あまり気にして見る人もいないでしょうから、ザッと描きました
ただ、真ん中の丸を描くために、十字を目安として描いていますが


横側にも描きましょう


というわけで、椅子の線画は完成
こんな調子でほかの
なども描いていきましょう


基本は、だいたい一緒
まとめ:ロココ調の椅子の描き方についてのおさらい
細かく椅子の描き方について解説しましたが、覚えるべきことは以下のことのみです
家具の形もさまざまなので、描き方がそれぞれ違ってくるかと思います
が、キレイに対称に描いていくためにも、グリッドを使った描画法は覚えておくと便利でしょう


ただ、全部きっちり描こうとせず、目分量で描く部分も入れていこう


あまり手間がかかるようなら参考の形どおりに描こうとせず、椅子の足などは、もうまっすぐに描いてしまったりアレンジしてもいいかも