漫画の木の描き方と奥行き感を出して背景の見栄えをもっとよくしよう

山や公園などはもちろん、街や家の庭にも木があったりします

背景を描くにおいて、木は外せません

しかし、枝があちこちあって複雑に分かれているし、葉は密集していて「どう描いていいかわからない！」という人も多いでしょう

このページでは、

といったことを書いていきます

ちなみに今回も、「マンガでわかる キラとマリアの背景が描きたい！―自然編―」を参考にして書いております

【STEP1】近景の木を描いてみよう

シルエットで木を描こう

近景ということで、まずシルエットで描いていきましょう

木の枝は、幹に近い方は太くなり、だんだん細くなっていきます

まず少し太めに幹に近いほうから描きます

シュッと直線的に描いて、途中で止めましょう

さきほどより短めに、シュッと直線的に描いて、また止めます

さらに短めに、シュッと直線的に描いて、止めます

先まで描けたら、枝分かれする部分もシュッと描いていきます

葉は、幹に近い方が密集していて、枝の先の方は密度が低いです

全体のバランスを考えて、葉を描きこんでいきましょう

密度の低いところは、葉の形がはっきり見えています

一枚一枚葉の向きを変えつつ、描いていきましょう

葉が密集しているところは、輪郭に葉の形が見えます

内側は密集しているのでベタ塗りしますが、隙間を一部入れていって質感を出しましょう

輪郭線で描く場合は？

やはり輪郭は、葉の形が見えます

内側は、一部のみ葉を描きます

葉の向きを一定にせずに、一枚一枚変えて描いていきましょう

中には、葉の裏側がめくれて見えている葉も入れたりも

【STEP2】街路樹（広葉樹）を描こう

木の種類も、それこそ何千とたくさんあるかと思います

街に生えている木の種類でも、さまざまなものがあるかと思います

ある程度種類を覚えることで、リアリティのある背景を描くことを推奨する人もいます

が、別に漫画は木の専門家だけが見ているものではなく

そもそも「背景を見よう！」と思って漫画を見る人もいないでしょう

絵を描くことを生業としている人なら、意識して見ることもありますが、通常はないでしょう

それでもし何の種類かよくわからない木が描かれていたり

環境に合わない種類のものが生えていたりしていても

よほど違和感のある絵にでもなっていなければ気にならないでしょう

それに、そういった矛盾点があっても、その漫画が気に入っていれば結局見るでしょう

そのことで見るのをやめてしまうということも、ないでしょう

あるとすれば、実は別の理由があった上で、その矛盾点が目についたからやめてしまうか

絵を生業としていて、かつリアリティにやたらこだわりたがる人でしょう

なので、こういったモコモコした広葉樹を描けるようになれば、大方いいのではないかと思います

もちろん、これだけではさすがにバリエーションがなさすぎます

なので、このページで木の描き方を覚えたうえで

グーグルマップなどで街路樹や家の庭の木の形を調べて参考にしたりしましょう

また「キラとマリア―自然編―」には、いろんな木の種類と名前と高さが表記されています

ほか、

などなど、ここで解説したこと以外にも木を描くのに役立つ情報が載せられています

それでは広葉樹の描き方解説を

まず、幹の下絵を描いていきます

枝は前の方向に生えていたり、奥に向かって生えていたり

生えている方向を考えつつ描いていきましょう

下の方の枝が重力で角度が下がっており、上の方の枝ほど上向きに生えます

以前、積雲を描いたとき、大小さまざまのモコモコの丸を組み合わせて描きました

街路樹を描くときも同様に、丸を組み合わせていきましょう

どの丸が手前に来て、どれが奥なのか意識して描いていきます

線画を描いていきます

葉の影となっている幹に線を引いて、影も入れていきましょう

ほか、幹に樹皮を表すための線も入れていきます

樹皮の線は縦線で、端っこは多めに引き、中央は少なめに引いていきます

あまり入れすぎず、少し入れていきましょう

光源を決めて、葉の影となる部分を、目安としてエアブラシで薄めに黒く塗りましょう

これはあとで消します

ベタで影を入れていきますが、入れる際は、明暗の境目に葉の形を意識した影を細かく描いていきましょう

光も一部入れていきます

明暗の境目から離れるほど葉の形の影を少なくすることで、影のグラデーションをつけていきます

影の薄い部分は縦線を引いてきます

影が描けたら葉の部分を自動選択ツールで選択して、素材パレットからトーンをドラッグして貼り付けましょう

【STEP3】近景の幹の描き方

幹の質感を出すには

遠景では少し縦線を入れていく程度だった樹皮ですが、近景はもう少し鮮明に描いていきます

まず樹皮を表す縦線を引いていくのですが、その前に下の画像をご覧ください

このように、均等に縦線の引かれた紙を円柱の形に丸めると、端に線が密集します

この理論から端っこに線を少し多めに描き、真ん中は少なめに

その後、質感を出すため細かく短めの横線を入れていきます

これも影を意識して端っこを多めに

アイレベルと円柱であることを意識して

細かいですが、アイレベルから離れるほど線の曲がり具合が強くなります

根っこの描き方

根っこは、地面の下でタコの足のように伸びています

それを想定することで、地面から出ている根っこの形が描けます

あるいはもっと単純に下の画像のように、ゆがんだ楕円形に描いてしまったほうが簡単です

【STEP4】遠景の木の描き方

さきほどの幹のように、近景は質感を出すための線や葉の形などがはっきり見えます

対して、遠景は葉の形ははっきりせず、幹の樹皮の線も縦線のみで描いたりします

手前にキャラクターや木などの背景を描いた上で

その奥に背景を描くことで奥行きが出て見栄えのある絵に仕上がります

その際近景はコントラストを強めるため線を太めに描いたり

さきほどの幹のように横線を引いて質感を出したり

遠景は彩度を落として描くと、より奥行が出てきます

この描画法を「空気遠近法」といいます

下の画像のように、遠景をトーンのみのシルエットで描きます

遠くなればなるほど彩度が落ちていき、葉の形などもはっきりしなくなります

単純な輪郭線でのシルエットで描くこともあります

葉の密集のみをトーンで描いて、木が密集しているさまを描くこともあります

奥行を出す方法として、ほかにも、キャラのいる手前に物を入れる方法もあります

下の画像では、枝のシルエットを手前に置くことで、遠近感を出しました

以上「キラとマリア―自然編―」の内容をもとにした、木の描き方の解説でした

まとめ：近景の木や街路樹の描き方などおさらい

今回は、木の描き方を通して、奥行きの出し方についても解説しました

まとめますと、

木の葉の影の入れ方は、ほかの物の影の入れ方と違ってきます

そこを知らずに描いてしまうと、自然物に見えず人工的な絵になる恐れがあります

ぜひ、覚えておきましょう